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Exchange Server 2010 DAG について

DAG:Database Availability Group とは

Exchange Server 2010 から導入された高可用性機能で、最大 16 台のメールボックスサーバーで構成するグループです。DAG を構成する各メールボックスサーバーが、複数のデータベースコピー*1を持ちます。
下記の図では、MBX1 サーバーがホストしている DB1 のデータベースコピーを、MBX2 と MBX3 サーバーにも持たせるという考え方で構成します。ただし、メールボックスデータベースコピーが複数構成されていても、その中でマウント可能なデーターベースコピーは 1つで、これが「アクティブ」なデータベースコピーとなり、それ以外は全て「パッシブ」という状態になります。

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DAG を構成するコンポーネント

メールボックスデータベースコピー

メールボックスデータベースのコピーを DAG を構成するどのサーバーにも格納することができます。各サーバーのデータベースコピーを手動でアクティブにする事を、スイッチオーバーと呼び、障害発生時にシステムが自動的に他のメールボックスデータベースコピーをアクティブにすることをフェールオーバーと呼びます。

Database Availability Group(DAG)

DAG はメールボックスデータベースがスイッチオーバー/フェールオーバーできる境界を定めます。DAG は同一の Active Directory ドメインに所属するサーバーのみ、メンバーに加えることができます。同一ドメイン内であれば Active Directory サイトやサブネットが異なっているサーバーであっても同じ DAG に追加可能です。

Active Manager

Active Manager は DAG 内のすべてのサーバーで実行される、スイッチオーバー / フェールオーバーを管理するコンポーネントです。どのデータベースがアクティブであるか、フェールオーバー時にどのメールボックスデータベースコピーをアクティブにすべきかなどを判断します。

DAG を構成する際の前提条件

  • DAG を構成する各メールボックスの役割を持つサーバーは、フェールオーバークラスタを利用するため Windows Server 2008 SP2/2008R2 の Enterprise Edition または Datacenter Edition がインストールされている必要があります。

  • DAG のホストではないサーバーが組織内に少なくとも1台必要です。これは DAG がクラスタを形成するために必要な監視サーバーの役割を持たせるためです。

  • パブリックフォルダーは DAG によって冗長化することができません。従来通り、パブリックフォルダーの複製により冗長化する必要があります。

  • DAG は Exchange 2007 がインストールされているマシンをホストとすることはできません。このため、データベースコピーを Exchange 2007 に配置することはできません。

  • DAG を構成する各メールボックスサーバーがネットワークインターフェース(NIC)を1つしかも持たない場合でも DAG を構成することができます。ただし、ネットワークの冗長性を考慮する場合は2つ以上のネットワークインターフェースを持つことが推奨されます。

  • DAG を構成するホストの Active Directory サイトおよびサブネットがそれぞれ異なっていても DAG を構成することができます。

  • DAG はサーバー間での応答時間が 250msec 以上であるネットワーク環境ではサポートされません。

  • メールボックスデータベースおよびログが格納されるパスは、メールボックスデータベースごとにすべてのホストで共通のものが使用されます。このためパスはすべてのホストにおいて、競合しないものを指定する必要があり、かつ同一のドライブレターが使用可能である必要があります。

*1:Exchange Server 2010 のメールボックスデータベースの実体(データベースファイルとトランザクションログファイルのセット)