vSphere5.0(Enterprise Plus)の Auto Deploy を使用すると、ESXi のプロビジョニングと管理タスクを簡素化することが可能です。Auto Deploy 用に設定されている物理ホストを起動すると、Auto Deploy は PXE(Preboot eXecution Environment)を vSphere のホストプロファイルと組み合わせて使用し、そのホストのプロビジョニングとカスタマイズを行います。ホスト自体には状態は保存されず、代わりに、Auto Deploy サーバーが各ホストの状態に関する情報を管理します。
ESXi ホストの状態情報
Auto Deploy は、ESXi ホストの情報を保存します。ホストが最初に起動するときに、vCenter Server は対応するホストオブジェクトを作成し、情報をデータベースに保存します。
Auto Deploy がデプロイ用に保存する情報
- イメージの状態
- ESXi ホスト上で実行する、実行可能なソフトウェアです。Image Builder PowerCLI を使用して作成されたイメージプロファイルに基づきます。
- 構成の状態
- ホストの構成方法を決める構成設定(仮想スイッチとその設定、ドライバ設定、起動パラメータなど)です。ホストプロファイルの UI を使用して作成されたホストプロファイルに基づきます。通常はテンプレートホストから取得されます。
- 動的な状態
- 生成されたプライベートキーまたはランタイムデータベース等、実行中のソフトウェアによって生成されるランタイムの状態です。ホストのメモリに保存され、再起動中に失われます。
- 仮想マシンの状態
- ホストに追加された仮想マシンと、仮想マシンの自動起動の情報(2 回目以降の起動のみ)です。デフォルトで vCenter Server システムによって管理されます。
- ユーザー入力
- システムの起動時にユーザーが入力する IP アドレス等、、ホストプロファイルに自動的に含めることができない、ユーザー入力に基づいた情報です。カスタム情報は、応答ファイルに保存されます。一部の値については、ユーザー入力を求めるホストプロファイルを作成できます。
Auto Deploy のアーキテクチャ
Auto Deploy サーバー
イメージプロファイルおよびホストプロファイルを ESXi ホストに提供します。Auto Deploy サーバーは、Auto Deploy インフラストラクチャの中心に位置します。
Auto Deploy ルールエンジン
Auto Deploy サーバーに、どのホストにどのイメージプロファイルとホストプロファイルを提供するかを通知します。システム管理者は、Auto Deploy PowerCLI を使用して、ホストにイメージプロファイルとホストプロファイルを割り当てるルールを定義します。
イメージプロファイル
ESXi ホストの起動に使用する一連の VIB を定義します。
- VMware および VMware パートナーは、イメージ プロファイルおよび VIB をパブリックなデポに用意しています。Image Builder PowerCLI を使用してデポの内容を確認し、Auto Deploy ルール エンジンを使用して、どのホストにどのイメージ プロファイルを割り当てるかを指定します。
- VMware カスタマは、デポにあるパブリックなイメージ プロファイルおよび VIB に基づいて、カスタムのイメージ プロファイルを作成し、そのイメージ プロファイルをホストに適用することができます。
ホストプロファイル
ネットワークやストレージの設定などの、マシンに固有の構成を定義します。システム管理者は、ホストプロファイルの UI を使用してホストプロファイルを作成します。個別のホストのホストプロファイルをエクスポートして、そのホストの再プロビジョニングに使用できます。テンプレートホストのホストプロファイルをエクスポートして、ほかのホストのテンプレートプロファイルとして使用できます。
応答ファイル
ホストにホストプロファイルが適用されるときにユーザーが提供する情報を格納します。応答ファイルには、IP アドレスまたはユーザーがそのホストに提供したその他の情報が含まれる場合があります。ホストにつき 1 つの応答ファイルを使用できます。
参考:
http://pubs.vmware.com/vsphere-50/index.jsp
以上