Exchange Server 2010 サーバーの役割
Hub Transport Server(必須)
- Active Directory と連携し、組織内部のメール転送とルーティングを行います。また、コンプライアンス要件を強制するためにメッセージにポリシーを適用します。
Client Access Server(必須)
- Outlook Web App、POP3、IMAP4、Outlook Anywhere (以前は、RPC over HTTP と呼ばれていました)、および Exchange Server ActiveSync からメールボックスにアクセスできるようになります。
Edge Transport Server(オプション)
- ネットワークの境界ネットワークで Exchange 組織に対してウイルス対策およびスパム対策の保護機能を提供します。
MailBox Server(必須)
- メールボックスデータベースをホストします。メールボックスデータベースには、ユーザーの電子メール、予定表、連絡先、および仕事が含まれます。
Unified Messaging Server(オプション)
- ボイスメール、電子メール、および予定表の情報を Exchange の受信トレイで受け取れるようになります。また、一般の電話器を使用して、自身のメールボックスにアクセスし、音声で自分の予定を確認する事もできます。
設定例
Active Directory の準備
- Exchange Server 2010 インストールメディアを挿入します。
- Exchange Server 2010 用に Active Directory スキーマを拡張します。
Active Directory 構成及びルートパーティションに Exchange オブジェクトを構成します。
PS D:\> .\setup.com /PrepareSchema
Exchange 組織を新規作成する場合は、以下のコマンドを実行し「組織名」を定義します。
PS D:\> .\setup.com /PrepareAD /OrganizationName:Example
Exchange Server の準備
- Exchange Server 2010 に必要なコンポーネントをインストールします。
サーバーマネージャモジュールをインポートします。
PS C:\Users\Administrator.EXAMPLE> Import-Module ServerManager
HUB、CAS、MBX で必須コンポーネントを指定します。
PS C:\Users\Administrator.EXAMPLE> Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server,Web-ISAPI-Ext,Web-Digest-Auth,Web-Dyn-Compression,NET-HTTP-Activation,RPC-Over-HTTP-Proxy -Restart
Exchange Server 2010 インストール
Exchange Server 2010 セットアップ DVD をドライブに挿入するとインストールウィザードが開始されます。
前提条件が満たされている場合は、[Exchange 言語オプションの選択]をクリックします。
例では、[DVD に含まれる言語のみインストールする]を選択します。
[Microsoft Exchange のインストール]をクリックします。
ウィザードが開始されます。[次へ]をクリックします。
[使用許諾契約書に同意します]を選択し、[次へ]をクリックします。
エラー報告機能の有効化または無効化を選択し、[次へ]をクリックします。
インストールの種類を選択し、[次へ]をクリックします。
Outlook 2003以前のメールクライアントが存在する場合、[はい]を選択します。
インターネット上からクライアントアクセスサーバーを通して Exchange Server を利用する環境である場合*1は、インターネット上からアクセスするための外部 URL をここで指定します。
[カスタマーエクスペリエンス向上プログラム]への参加の可否を選択します。[次へ]をクリックします。
前提条件が[完了]になったことを確認し、[インストール]をクリックします。
すべての項目が正常に[完了]と表示されていることを確認後、[終了]をクリックします。
Exchange Server 2010 セットアップ
- メールボックスの作成
- Active Directory ドメイン上にアカウントを作成します。
[Active Directory ユーザーとコンピューター]でユーザーを新規に作成します。
ログオン名を設定し[次へ]をクリックします。
パスワード及び、パスワードポリシーを設定し[次へ]をクリックします。
内容を確認し[完了]をクリックします。
EMC(Exchange Management Console)でメールボックスを作成します。
[スタート]-[すべてのプログラム]-[Microsoft Exchange Server 2010]-[Exchange Management Console]をクリックし、Exchange 管理コンソールを起動します。
左ペインの[メールボックス]を右クリックし[メールボックスの新規作成]をクリックします。
[ユーザーメールボックス]を選択し、[次へ]をクリックします。
[既存のユーザー]を選択し、[次へ]をクリックします。
Active Directory で作成したアカウントを選択し[OK]をクリックします。
内容を確認後、[次へ]をクリックします。
メールボックス作成時に自動で入力される既定値を使用します。[次へ]をクリックします。*メールボックスサーバーを指定したい場合、「自動的に選択されたデータベースを使用せずに・・」をチェックし、サーバーを選択します。
内容を確認後、[新規作成]をクリックします。
メールボックスが新規作成されます。[終了]をクリックします。
新しくメールボックスが作成されていることを確認します。
Outlook 2010 を利用したメールの送受信
試験クライアント(WindowsXP)へ example\exuser01 でログオンします。
Outlook 2010 を起動します。[次へ]をクリックします。
[はい]を選択し、[次へ]をクリックします。
[名前]と[電子メールアドレス]を確認し[次へ]をクリックします。*2
正常に完了したことを確認し[完了]をクリックします。
exuser02@example.com へテストメールを送信します。
Outlook Web App(OWA)を利用したメールの送受信
試験クライアント(WindowsXP)へ example\exuser02 でログオンします。
Internet Explorer を起動し、Exchange Server(CAS)へアクセスします。*3
初回ログオン時、使用する言語などを確認する画面が表示されます。[OK]をクリックします。
exuser01 からのテストメールを受信している事を確認します。
参考書籍
以上
*1:Exchange ActiveSync、Outlook Web App、Outlook Anyware 等
*2:ログインしているアカウントにメールボックスがある場合、自動的に入力されます。
*3:https://cas/owa/ へアクセスします。